がん保険について

がん保険に先進医療特約を付けた方が良い理由 実施件数や費用を基に解説します

先進医療特約って本当にいるの?

がん保険に先進医療特約っていうのがあるけど、あれって本当に必要なの?

先進医療なんてあまり使う機会もなさそうだから、外してもいいのなら外して少しでも保険料を安くしたいんだけど……

こういった疑問にお答えします。

最初に結論から申し上げますと、私は、がん保険を検討している方には必ず先進医療特約を付加することをオススメしています。

何故なら確率は低くとも、もし先進医療を使う事になった時の事を考えると『付加しない方がリスクが大きい』と考えられるからです。

また、特約の保険料も安いので、あえて少額をケチってリスクを増やす必要はないかなというのが個人的な意見です。

この記事では、実際に代理店でがん保険を販売していた保険のプロである私が、

  • 先進医療が行われている件数と割合
  • 先進医療を自費で行った場合の自己負担額
  • 先進医療特約を付加したほうが良い理由

について、実際の実施件数や自己負担額などのデータを基に、分かりやすく解説していきます。

現在、がん保険に加入しようかどうか迷っているという方は、是非、この記事を最後まで読んでいただければと思います。

そもそも先進医療はどれぐらい行われているのか?

疑問に思う女性

そもそも、先進医療ってどれぐらい行われているの?

信頼できるデータを洗ってみたところ、先進医療全体では1年間で32,984件の治療が行われたことが分かります。

データ元 平成29年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告について / 厚生労働省

その中で『がんに対して行われた件数』はどれぐらいなの?

そちらも厚生労働省から詳細な資料が出ていますので、見ていきましょう。

以下は厚生労働省の発表した資料からデータを抜粋しまとめたものです。

先進医療全体の年間実施件数
厚生労働省 《平成29年度先進医療技術の実績報告等について》 より引用 資料① 資料②

がん治療である、陽子線治療と重粒子線治療が上位に入っており、その2つだけで年間にして3,877件が実施されていることがわかります。

総数32,984件に対する割合は、11.75%です。

以上のデータではがん以外の先進医療も含まれていますので、がんに関するものだけ抜粋してみた所、以下のようになりました。

がんにおける先進医療の年間実施件数
厚生労働省 《平成29年度先進医療技術の実績報告等について》 より引用 資料① 資料②

陽子線治療や重粒子線治療以外にも、様々な治療が行われている事が分かりますね。

がん治療に関わる先進医療は年間で5,136件、先進医療全体に対する割合は15.57%です。

件数がやたらと多い眼科領域での先進医療を除くと件数は7,000件程度、そのうちの約5,000件をがん治療関係が占めていますので、

がん関係で先進医療がよく使われている事が分かります。

がん患者のうち、何%が先進医療を受けるのか

先進医療はがんの治療に使われる割合が多いんだね。

じゃあ、がん患者の総数に対する割合ってどれぐらいなの?

そちらも実際のデータを当たってみましょう。

調べた所、平成29年に新しくがんに罹患した人数は男女合わせて977,393名だったようです。

がんの新規罹患者数のデータ

国立がん研究センターの最新がん統計より引用。

データ元 最新がん統計:[国立がん研究センター がん登録・統計]

そして、1年間の先進医療の件数を1年間の罹患者数で割る事で先進医療を受ける割合を暫定的に求めることが出来ますので、算出してみます。

がんの先進医療の件数が5,136件、それを罹患者数の977,393人で割ると、0.525%という数値となります。

1年間で交通事故に合う確率が0.9%らしいので、それよりも低い数値となりますね。

そんなに確率が低いのなら先進医療特約なんて要らなくない?

いえ、後述するように先進医療は万が一使うことになった場合には、自己負担額が超高額になる可能性がありますので、付加しておいた方が良いです。

次の項からは、先進医療特約が必要な理由について詳しく説明していきますね。

先進医療をもし使うことになったら多額の自己負担が必要

お金の事で悩み頭を抱える男性

先進医療ってとにかく高いんですよね。

そもそも何故、先進医療を使うと高くなってしまうのかというと、先進医療は保険適応外の治療だからです。

保険適応外ですので自己負担額は10割ですし、もちろん高額療養費制度も対象外、100%実費で支払いが必要になってしまうので凄く高くなるんですね。

 自己負担の割合高額療養費制度が使えるか?
保険適応治療3割(年齢によって2割・1割)使える、医療費は一定の範囲内で済む
先進医療年齢・収入に関わらず10割使えない、全額自己負担が必要

で、さっきも言ったように、がんにおける先進医療の割合は0.5%程度ではありますが、

もし仮にその0.5%に当てはまった時にはどれだけの自己負担がいるのかを見ていきましょう。

がん治療で先進医療を利用した場合の自己負担額

年間10件以上行われていて、かつ、費用が50万円を超えているがんの先進医療をまとめたのが以下の表です。

費用が50万円を超える先進医療(がん)【件数順】
先進医療の名称件数平均費用
陽子線治療2319件2,765,086円
重粒子線治療1558件3,149,172円
内視鏡下手術用ロボットを用いた腹腔鏡下胃切除術 (根治切除が可能な胃がん)117件1,083,843円
自己腫瘍・組織及び樹状細胞を用いた活性化自己リンパ球 移入療法55件563,535円
NKT細胞を用いた免疫療法 (肺がん)43件1,790,531円
mFOLFOX6及びパクリタキセル腹腔内投与の併用療法 (胃がん)33件571,004円
放射線照射前に大量メトトレキサート療法を行った後の テモゾロミド内服投与及び放射線治療の併用療法並びにテモゾロミド内服投与の維持療法 (初発の中枢神経系原発悪性リンパ腫)30件1,147,890円
内視鏡下手術用ロボットを用いた腹腔鏡下広汎子宮全摘術 (子宮頸がん)27件1,269,643円
ペメトレキセド静脈内投与及びシスプラチン静脈内投与の併用療法(肺がん)19件1,009,089円
アキシチニブ単剤投与療法 (胆道がん)16件604,430円
陽子線治療 (肝細胞がん)11件2,821,909円
データ元 平成29年6月30日時点における先進医療Aに係る費用 / 厚生労働省
データ元 平成29年6月30日時点における先進医療Bに係る費用 / 厚生労働省

こうやって見てみると、件数が多い重粒子線治療と陽子線治療の費用が群を抜いて高いのが分かるかと思います。

件数が多いという事は、もし先進医療を受けるとなったらそれだけ適応される可能性が高いという事です。

貴方が運悪くがんに罹って、それで0.5%の確率を引いて先進医療を受けるとなった場合、

貴方は75.5%の確率で重粒子線治療・陽子線治療を受ける可能性があり、自己負担が275万円~315万円必要になります。

以下はがん先進医療の自己負担額において、どの価格帯が多いのかを調べまとめたものです。

がんにおける先進医療の自己負担額の分布
厚生労働省 《平成29年度先進医療技術の実績報告等について》 より引用 資料① 資料②

100万円以上の自己負担が必要な可能性は80%超、10万円以上となる可能性だと約95%というかなり高い確率となります。

ただでさえもがんはお金が掛かる病気なのに、それに加えて先進医療費の自己負担まで発生してしまうと、金銭的にかなり苦しくなってしまう可能性が高いです。

私は「保険はもし万が一の時に掛けていた額以上のリターンがないと意味がない」という考え方ですが、

先進医療特約は安価な保険料(100円程度)で大きな保障を得られる可能性があり、条件に合致していますので付加をオススメしています。

お金の事で治療を諦めて欲しくないので付加をオススメします

しっかりと治療して生き続ける

先進医療は保険適応される治療よりも高い効果を発揮する可能性がある治療ですので、

もし治療の選択肢に上がるのであれば、それを使ってみたいという気持ちになるのは想像に難くありません。

ですが、先進医療を受けるには様々な条件に合致する必要があり、条件に合致しない人の場合は受けられません。

つまり、先進医療を受けられる人は条件に合致する、運がいい人とも言えます。

それをお金が用意できないという理由でふいにしてしまっては非常にもったいないと私は思います。

ですので、せめてお金の心配をしなくても良いように、先進医療特約は付けることをオススメします。

まとめ

黒板とAnswer
  • がんにおいて先進医療は年間5,136件実施されている
  • 一方で、罹患者数に対する割合は0.5%程度と決して高い数値ではない
  • しかし、もし仮に先進医療を受けられるとなった時にお金が用意できないという理由で諦めるのは非常にもったいない
  • 保険料も安価なので、もし万が一の時に備えて先進医療特約は付加するのがオススメ

以上、がん保険に先進医療特約を付けた方が良い理由でした。

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