子供向けの医療保険を検討しているんだけど、何かオススメってある?どういう事に気を付けたらいい?
こういった疑問にお答えします。
目次
そもそも子供に医療保険は必要ない
結論から言ってしまうと、子供向けの医療保険はほぼ不要です。
もし入るとしても医療保険ではなく、県民共済やコープ共済などの子供向け共済に入っておけば十分にカバーが出来ます。
子供向けの保険が不要な理由は以下の通りです。
1.各自治体による手厚い医療保障がある
2019年現在、日本の全ての自治体で、子供の医療費を助成する為に「子ども医療費助成制度」が設けられています。
この制度を使うと、入院費や通院費がタダになるか、若しくは、非常に安い一部自己負担金(500円など)だけで医師の治療が受けられます。
対象となる年齢は各自治体によって異なりますが、就学前まで・小学校卒業まで・中学校卒業まで・高校卒業まで、のいずれかとなっている自治体が多くなっています。
よって、少なくともその対象となっている期間中は、医療保険は重要ではありません。
2.医療保険よりも子供向け共済の方が優秀
上の資料見たら自分が住んでる自治体は保障が就学前までになってたんだけど!そんなんじゃ本格的に運動をするようになる小学生以降は不安で仕方ないし、せめて高校生ぐらいまでは保障が欲しいから医療保険は必要でしょ!
そういった場合でも、あえて民間の医療保険に入る必要性はありません。
何故なら、子供向けの保障に関しては保険よりも共済の方が何倍も優れているからです。
民間の医療保険とこども向け共済の比較
民間の医療保険の場合は、共済と違って保障の期間が終身であるという点がメリットです。
独り立ちをした後にも医療保険を掛け続けてあげたい、若しくは、独り立ち後には契約者を子供に変更して継続させたい、という場合には候補になるかもしれません。
ただし、保障の内容は子供向け共済の方が格段に充実することや、子供向け共済の方が保険料(掛金)が安いこと、また、基本的に民間の医療保険はコスパが悪く、どんな年齢であっても契約するメリットがほぼ無いと考えていることから、私は医療保険をオススメしません。
以下が、医療保険と子供向け共済の比較です。
このように、医療保険が一般的な病気・ケガのみを対象としているのに対して、子供向け共済は子供の身に起こりそうな様々なリスクに対応をしています。
保障範囲の広さや、掛金の安さなどから、私は共済をオススメします。
がん保険は比較的入る価値がある
医療保険を含めて、民間保険会社の商品に子供が加入するのは基本的にはオススメできません。
ですが、唯一、がん保険だけは比較的オススメが出来る商品です。
何故がん保険なのか
ガンは他の病気と比べても、かなり特殊な病気だからです。
一般的な病気の治療と比較して、ガンは治療に時間が掛かります。
治療費に関しても抗がん剤やホルモン剤・放射線治療など、他の病気では使用しない特殊な薬や装置を使いますので、治療費が高額になりがちです。
また、一番気を付けておきたい点が、ガンの治療には保険適応外の治療が比較的多いという点です。
普通の病気であれば、子ども医療費助成制度によって治療費がカバーできますし、助成の対象年齢から外れていても、子供向け共済の給付金で十分にカバーができます。
ですが、ガンの場合は保険が適応される範囲内の治療ではあまり効果が出ないことがあります。
そこで、最先端の治療を受ける為に「国内では未認可だけど海外では承認済み」の治療法や治療薬を使って、ガンと闘っていくという選択肢を取った方が良い場合があります。
これらの治療は《自由診療》と言い、保険適応される治療《保険診療》とは区別されています。
自由診療は国内での認可がない治療ですので、保険が適応されず、全額自己負担となってしまいます。
自由診療を選択すれば治る可能性が高いという患者さんがいても、がん保険に入っておらず医療費が全額自己負担となる為にお金が用意できず、保険適応される治療だけを続けた結果亡くなってしまった、という事も実際にあるようです。
また、子供特有のリスクとして、小児がんは大人のガンと比べて圧倒的に進行が早いという特徴があり、助成金が受けられない治療だからと言って、違う治療法を検討しているうちにもどんどん進行してしまう危険性があるのは大きなリスクです。
それ故に、ガンに関しては保障があっても損はないというのが私の考えです。
また、がん保険に関してはコスパも良い為、独り立ち後も契約者を子供に変更して継続をするという選択肢も十分に有りですので、早くから掛けておいても良いのかなと私は考えています。
と、まぁ、さんざん脅かすようなことを言ってしまいましたが、実際に15歳未満の子がガンに罹る確率は1万人あたり約1人で決して高い確率ではありません。
日本の15歳未満の人口が2018年4月時点で1553万人ですので、年間で約1500人が、小児がんに罹ってしまうという事ですね。
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/topics/topi1091.html#aI-1 (総務省統計局)
この毎年1500人は小児がんになっているという事実を、多いと感じるか少ないと感じるかは人それぞれだと思いますが、確率的にはそれぐらいだと知っておいて頂ければと思います。
とはいえ、生涯でガンに掛かる確率は50%あり、2人に1人がガンになると言われていますので、遅かれ早かれガン保険には入っておいた方が良いかな……というのが私個人の意見です。
基本的には子よりも親の保障が重要
色々と書いてきましたが、子供がいる家庭で一番のリスクは親に万が一の事があった時です。
特に家庭の収入源の方が亡くなってしまった場合には、それ以降の収入がなくなってしまい、生活に大きな打撃を与えるリスクがあります。
ですので、子供の保険を検討するよりも、まず、自分自身や配偶者に万が一の事があった場合に、しっかりと保障がされるのかという事を確認してください。
その中でも
- 亡くなった時に保険金がいくら入るのか?
- 働けなくなった時に備えた保障はあるのか?
という2点をしっかりと確認して、それで足りているのかを十分に検討をすることが大切です。
「子供が生まれてから保険の見直しをしてない!」という方は、以下の記事を読んで頂ければ必要な保障が分かりますので、是非、ご覧下さい。
また、「そもそも結婚した時に保険とか入らなかった!」という方は、以下の記事を読んで頂ければ、死亡保障や働けなくなった時の保障がどの程度必要なのかが分かりますので、ご覧頂ければと思います。
子供の場合は自治体など、公的な補助をしてくれる機関が比較的多くあります。
しかし、その親である大人たちに万が一の事があった場合の公的保障は、子供ほどは手厚くありません。
是非、今一度、自分自身や配偶者の保障について、考えてみてください。
まとめ
以上、子供の医療保険についての考え方でした。
基本的には親に何かあった時の方がリスクは高い為、そちらがしっかりと保障されているのかについて、確認してみてください。
もし、今回の記事を読んで保険の見直しや新規加入を検討された場合は以下の記事もご覧下さい。